死なない転職

死に場所を探さない

立ち尽くして夢を見ている

 一番行きたかった会社に落ちてぼーっとしてる。
 正直、ここからどう動いたら良いか分からなくて、そのまま立ち尽くしてる。本当にどうしたら良いんだろう。いけるでしょ!って時とダメだ……の波が激しくてしんどい。きっと正しいのはここで懲りずにどんどん応募して面接して、数打ちゃ当たる方式なんだろうなとは思う。思うけど果たしてそうやったところで本当に採用されるのか? 確証なんかないし実質働いたのは七月初めまでのたった三ヶ月で、そこからずっと休職してて、それで次ちゃんとした会社入れるの? 自分で自分を信じられないし、こういうことを誰に相談したら良いのかも分からない。情けなくて涙が出てきた。残念ながら私には本当に信頼できる友達があまりいなくて、友達らしき人たちにこういうことを話しても話の種にされるんだろうなと思って怖くて出来ない。そもそも、新卒SRもしくはSSRをつかみ取ったその人たちに私の気持ちがわかるのだろうか? 嫉みも嫉妬も込みでそう思う。親は凹んでる暇があったら数打てと真っ当な正論を言ってくる。
 息苦しい。そもそも休職なんかにならなければこんなことにならなかったのにと自分を恨むけれど、恨んだところで時間が戻るわけでもなし。先に進むしかないのだ。でもその先は真っ暗で、数歩先の足元も見えない。
 どうしたらいいんだろうな。私は完全週休二日制祝日休み定時帰宅内勤、奨学金を返して月に一回観劇できるくらいの給料を希望しているのだけれど、その希望すら高いのかな。あー分からない。しんどい。たった一人だけ、私が心の底から信頼している友人がいるのだけれど、こんなこと話したって困らせてしまうだけだし。昔からだれかに相談することが苦手だった。だから一人でこうやってうじうじ悩んでいるし、休職にもなったのだと思う。上手く吐き出すことも人を頼ることも出来ない。完全に自立して一人で生きていくことが出来たら良いのに。どうして出来ないのだろうか。私が弱いからか。
 もうしんどくてしんどくて、こんなにしんどい夜には死にたい生まれて来たくなかったと思ってしまう。どうして生まれてしまったんでしょうね。私は産んでくれなんて頼んでないのに。なんかもっと、他の行きたかった人とか生まれてきたかった人にこの命をあげられたら良いのにと思わずにはいられない。募金ならぬ募命が出来たのなら私はさっさとこの命を突っ込んだのに。
 適正とかも分からなくて、どの仕事を選んだら長続きするのかも分からない。私は適職診断をして芸術家と出るタイプだ。社会不適合者に芸術家の皮を被せようとすな。何が適職なんですかね。教えて欲しい。私が苦もなく出来ることと言えばこうやってひたすら文字を打ち込むことくらいで、じゃあそれを生かした職業って何? ライターとか? なれるのか?なりかたもよく分からん、なれるもんならなりたいけれど。

 

 

 

 


 こんなことつらつら言ってても、私には夢がある。あのね、小説家になりたい。私は生きるのが嫌だし大体死にたいと思っているしここにいるのは自分に死ぬ勇気がないからだと思っているけれど、そんな私にも生きていて良かった、と思う瞬間がある。何か素晴らしいものを体験したとき。映画とか漫画とか演劇とか、小説とか。そういうものを摂取したとき、その一瞬、私は生きていて良かったなあと思う。だから私はそういうものを与えられる人になりたい。与えられる、なんて偉そうだけどそんな偉そうなもんじゃなくて、私の作ったものに触れて、一瞬だけでも、生きていて良かったと思ってもらいたい。この世には私のような人がいるかもしれない。生きてて良かった、そう思える瞬間を一瞬でも多く感じてもらいたい。
 じゃあどうしたらいいか、それには娯楽とかエンタメとか、なくても生きていけるけれどでもあったら人生を豊かにしてくれるものを増やしたら良いのではないか。私はそう考える。
 だから私も、そういうものを作る人側に回りたい。自分が触れてきたものの中で自分に出来るものは何か、そう考えたとき真っ先に小説が思い浮かんだ。一番触れる時間が長かったからかもしれない。自分の考えを文字に起こすのが好きだからかもしれない。そんな夢があったら真っ先にそれに取りかかれよ、偉そうなこと言う暇があったら賞に応募しろとと思われるかもしれないが、私はひとまずこの自分の精神を安定させたい。真っ暗な中じゃ怖くて不安定で、書けるものも書けない。これも言い訳になるのだろうか。うるせえ私の人生だ。私で決める。

 こんなことを書いていても私に職はないし、目の前は真っ暗。でも歩くしかない。時間は進むし私には夢がある。