死なない転職

死に場所を探さない

死なないための転職

 七月から休職して、もう三ヶ月経とうとしてる。季節は夏から秋へ 。ようやく、転職活動を始めた。18卒。次は死なない場所を探したい。

 と言うのも働いているときは毎日毎晩死にたいと思っていた。帰り道で泣いた。家に着くなり泣いた。寝るときに泣いた。そもそも全然寝られなかった。横になって天井見ながらずっと泣いていた。業 務中にもわっと涙が出てきてトイレに駆け込んだ。レジの中でうずくまって泣いたこともある。その間ずっと死にたかった。 会社に出社するとき、そのまま事故に遭って死にたかった。家でぼーっとしていたはずなのに、いつの間にかベランダに手をかけていた時もある。死にたい、その四文字がいつの間にか頭の中で膨らんでいた。色んなものを圧迫していた。今思えば、死にたかったと言うより単にその場から逃げ出したかったのだと思う。 逃げ出し方が分からなかっただけで。
 もう嫌だった。どうしてこんなに泣かないといけないのだろうと毎日毎日思っていた。Twitterを見れば友達は上司に褒められたと呟いている。私は褒められたことがない。先輩が優しいと呟いている。私はパートの人たちに影でひたすら不器用、仕事が遅いと言われているらしい。 期待してるね、と言われたから私も頑張ると呟いている。 もうやめてくれ。叱られるか注意されるかしかされていない。ひたすら辛くてTwitterも見なくなった。LINEで連絡を取る のも嫌だった。一人地方に飛ばされた私は急に孤独になった。 休日はベッドから起き上がれずそのまま過ごしていた。ずっと寝られないのに横になっていた。ご飯を食べても美味しいと思わない。 食べなくなった。あれだけ食べるのが好きだったのに。働くってこういうことなのかとぼんやり思っていた。これが五十年六十年続くのなら早く死にたい。

 結局この生活も長くは続かず、ある日急に職場で涙が止まらなくなって休職になった。初めて行った心療内科で、 休職の診断書を受け取り、人生バグると夏休みを処方されるのだと知った。あと診断書はそれほど安くないことも知る。あまり知りたくなかった。でも死ぬよりは安いのだろうか。分からない。 その間も友達は仕事を続けている。やりがいがあると言っている。 この違いは何なんだろうなあ。しんどい。結局実家に帰ってきて三 ヶ月間特に何もせずのんべんだらりと生きている。 私は家を出る!ってあれだけ啖呵切って出ていったのに。

 どうしてこれを書いているのかと言えば、こういう記録をつけるのも面白いかなと思ったからだ。あとはこういう記録をつければ動かざるを得ない。私は見栄っ張りだからだ。 明日はエージェントとの初面談。もう早速紹介できる求人が少ないと電話で言われてしまっているが、どうなるだろう。 死なない場所へ転職したい。業務中も家に帰ってからも泣かない場所へ転職したい。これは私が転職に成功するまでの、 死なないための転職日記。